AIとの付き合い方

ClaudeとPlaywrightであなたがいなくても仕事は進む

A AIKA 読了 約7分
ClaudeとPlaywrightであなたがいなくても仕事は進む

毎朝15分、私は数字を書き写すためだけに机に座っていました。

noteが昨日何回読まれたか。
Xの投稿が何回表示されたか。
画面を開いて、数えて、表に書く。
それだけの15分です。

いまは、やっていません。

朝8時20分、私が寝ているあいだに、AIがブラウザを開いて、同じことを済ませています。
私が押したボタンは、1つもありません。

使っているのはPlaywrightという道具です。
AIに、人の代わりにブラウザを動かさせる仕掛けだと思ってください。
新しく有料のサービスを契約する話ではありません。

この記事を読み終えると、自分の手から外せる仕事を1件、見分けられるようになります。

8時20分、私は寝ている。仕事は終わっている

1. 外せる仕事には、3つとも当てはまる

心当たりを、いくつか挙げます。

毎朝、いくつかの画面を開いて、昨日の数字を書き写す。
記事を1本出すたびに、同じ文章をもう一つの場所へ運ぶ。
動画を1本上げるたびに、題と説明と公開の設定を同じ順で入れる。
毎週きまった曜日に、同じ管理画面を開いて残りを確認する。

この中で外していいのは、次の3つが全部当てはまるものだけです。

  1. 手順が毎回まったく同じ(その場の判断が要らない)
  2. やる時刻が決まっている(気が向いたらではない)
  3. しくじっても、その日1日分しか壊れない

3つ目が抜けている仕事を先に渡すと、事故ります。

外せる仕事の3条件。3つ目が抜けていたら渡さない

私は渡して、事故を出しました。
その話は後で書きます。

時間を食われている、という話ではありません。
自分が縛られている、という話です。

出張の朝はできません。
熱を出して寝込めば、その日は飛びます。
15分では済みません。
今日は取ったか、という問いが、1日じゅう頭の隅に居座ります。

やめてしまえばいいのですが、やめると困ります。
その日に取らなかった数字は、あとから取りに戻れないからです。

私の仕掛けは、noteの数字を後から取りに戻れない前提で組んであります。
今日の数は、今日のうちに控える。
そしてXが数字を外に渡す仕組みでは、投稿から30日を過ぎると、
リンクが何回押されたかを返しません(2026年9月時点のXの決まりです)。

手元の記録を数えたら、取り返せない欠測が218件ありました。
全部、30日を過ぎたXの分です。

30日の窓を出た数字は、二度と取れない

記録しなかった日は、存在しなかった日になります。

2. 動いているのは26本。ブラウザを開くのは3本

いま私のパソコンの中で、時刻が来たら自分で動き出すものが26本あります。

5本だけ、中身を出します。

26本のうち、ブラウザを開くのは3本

ご覧のとおり、ほとんどは画面を開きません。
文字と数字を動かしているだけです。

ブラウザを開くのは、26本のうち3本だけです。
3本目は仕事の相手方の画面なので、ここでは触れません。

朝8時と8時20分、ブラウザは立ち上がって、読んで、台帳に書き足して、閉じます。
画面には出ません。
私が決めたのは、時刻と、取りに行く先だけです。

この比率には理由があります。
ブラウザを開かせるのは、ほかに手が無い時だけだからです。
数字を渡す正式な口があるなら、そちらで取ります。
そのほうが速いし、壊れにくい。

ブラウザは、いつでも使う道具ではありません。
最後の一本です。

正式な口があるならそちら。無い時だけブラウザ

3. なぜブラウザが要るのか——数字を渡してくれない相手がいる

noteは、数字を外に渡す口を持っていません。

あるのは、自分でログインして、自分の画面で見る形だけです。
人が見るぶんには足ります。
毎朝それを機械に写させたい、となると、途端に手が無くなる。

だから、こうしています。
人としてログインしたブラウザに、人が見るのと同じ場所を読ませています。
画面を人の代わりに動かす道具そのものの話は、
「AIが使えないソフトは、画面ごとAIに使わせろ」に書きました。

ここで一つ、先に知っておくと得をすることがあります。

留守のあいだも動かすには、ログインが通る入り方でないと始まりません。

2026年8月16日、YouTubeの数字が取れませんでした。
AI用に新しく立ち上げた窓からログインしようとして、Googleに
「安全でない可能性があります」と断られていたのです。
中身の作りは何も間違っていません。
入口で止まれば、その朝は何も取れません。

いまは、普段使っているブラウザと同じ入り方で開いています。
最初の一回だけ人がその窓でログインして、閉じる。
以後は機械がそのまま使います。

無人で回す仕事は、動き出す前のこの一点で決まります。

2026年8月16日、入口で止まった

4. 見つけ方は「おなじ画面を何度開いたか」

外せる仕事は、探すより数える方が早く見つかります。

私の記録を数えたら、YouTubeの管理画面を432回開いていました。
内訳の上位はこうです。

  • 動画1本ごとの詳細を入れる画面 169回
  • 上げた物の一覧 84回
  • 編集の画面 32回
  • 数字を見る画面 30回

この4つで315回。
残りの117回は、設定や再生リストなど細かい画面です。

同じ画面を432回開いていた

同じ画面を169回開いて、毎回おなじ欄に、題と説明と公開の設定を入れていた。
書き出してみるまで、私はこれを「作業」だと思っていませんでした。
動画を出す仕事の一部だと思っていたのです。

あなたの1件も、たぶん同じ顔をしています。
仕事の一部に見えているので、外す対象として目に入らない。

探すときは、気持ちではなく回数で探してください。
先月、同じ画面を何回開きましたか。
10回を超えていたら、それが候補です。

5. 組むときに決めた3つ

転載の仕掛けを作ったとき、先に3つ決めました。
いま思えば、ここで決めたから今日まで壊れていません。

人の手番を、2つだけ残す。
初回のログインと、公開のボタン。
この2つは機械にやらせません。
ログインには画像の認証があるので、そもそも人にしかできない。
公開は、取り返しがつかないので人が押す。
逆に言えば、残りは全部渡していいということです。

何度流しても壊れないように作る。
途中で失敗したら、もう一度同じものを流す。
それで続きから進む。
「どこまで終わったか」を人が覚えておく必要がない形にします。
覚えておかないと再開できない仕掛けは、結局あなたを縛ります。

文章は、人もAIも打たない。
ファイルから機械が運びます。
これは事故があって決めました。
2026年7月26日、手で書き写したときに誤字が4語混ざりました。
書き写しは、人がやってもAIがやっても同じだけ間違えます。
運ぶだけなら、間違えません。

人の手番は、初回のログインと公開のボタンだけ

6. 検査は、省略できない形で手順の中に埋める

ここが一番効いている決めごとです。

転載の仕掛けには、途中に検査が挟んであります。
通らなければ、次へ進めません。
飛ばす口は作っていません。

「気をつける」ではなく、通れなくする。
この差が、留守のあいだの安心の正体です。

私が見ているなら、おかしければ止められます。
見ていない時間に動かすなら、止まる仕組みが中に要る。
無人で回すというのは、見張りを外すことではなく、見張りを埋め込むことです。

7. 任せきりにして、読者に404を見せた

決めごとを全部やっても、事故は出ました。

記事を出す順番は、本店のブログが先で、Xが後です。
ところが2026年9月3日と9月8日の2回、Xだけが先に出ました。
読者はXから飛んで、まだ存在しないページを見ています。

原因は、予約の時刻だけを決めて、順番を確かめていなかったことでした。
1章に書いた3つ目の条件——しくじっても1日分しか壊れない——を、
この仕事は満たしていなかったのです。
外に出てしまったものは、取り消せません。

直したあと、同じことは起きていません。
直し方は次の章に書きます。

順番が入れ替わり、読者は404を見た

8. 線は3本

任せきりにしないための線を、3本引いています。

画面の作りが変われば止まります。
相手のサービスが欄の位置を変えれば、その朝は取れません。
これは避けられないので、止まったと分かる形にしておきます。

ログインが切れたら、人に返します。
私の仕掛けは、ログインが切れているとその場で赤にして、作業を止めます。
切れたまま動き続けて、空っぽの数字を台帳に書く方が害が大きいからです。

外に出すボタンは、人が押します。
下書きまでは機械。
公開は人。
ここだけは、どれだけ面倒でも動かしていません。

9. 明日、1件だけ組む

最初の1件は、こう選んでください。

先月10回以上ひらいた画面のうち、しくじっても1日分しか壊れないもの。
数字を書き写す、記録を写す、一覧を控える。
この辺りが安全です。
お金が動くもの、外に出るものは、最初の1件にしない。

頼み方は、こう言えば通ります。

この手順を、毎朝8時に自動でやるように組んでください。
私がいなくても回る形にしてください。
失敗したときは、黙って続けずに止めて、私に知らせてください。

3行目が大事です。
これを言わないと、失敗したまま動き続ける物ができます。

10. 約束は、文章で書かずに仕組みに入れる

最後に、この記事でいちばん渡したいものを書きます。

Xだけ先に出た事故のあと、私は同じ型の失敗を数え直しました。
道具の中に止める仕掛けを入れた再発防止は3件、その後の再発はゼロ。
台帳に「気をつける」と書いただけの7件は、2件が再発しました。

同じ人間が、同じ気持ちで書いた約束です。
違うのは、置いた場所だけでした。

留守のあいだに仕事を進めるというのは、気合いの話ではありません。
自分がいない時間にも効く場所へ、約束を置き直す作業です。

約束は、置いた場所で決まる

明日、10回以上ひらいた画面を1つ思い出してください。
そして、こう言ってください。

この手順、私がいなくても回るように組んでください

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