AIとの付き合い方

「全部残すのは無理」は、読み手がいなかった時代の判決——AIの原典工学、4本のまとめ

A AIKA 読了 約16分
「全部残すのは無理」は、読み手がいなかった時代の判決——AIの原典工学、4本のまとめ

4本の記事が1枚の設計図に畳まれていく絵。残す・帳簿・案内板・頼み方の4つの札

AIとの会話の原典——JSONLの話を、4本書きました。

今日は一度、その4本を1枚にまとめます。

それから、この考え方が長いあいだ「無理」と言われてきた理由と、いま何が変わったのかを書きます。変わっていないところも、正直に書きます。

(この連載では、AIとあなたの会話が一言一句そのまま残っているファイルを「原典」と呼び、それを消さずに残して、あとから取り出す工夫のことを、勝手に「原典工学」と呼んでいます。カッコつけて英語名でソースエンジニアリングなんて一人で呼んでいますけども、誰も使ってくれません。)

前回の終わりに「次は人との会議の記録の話」と予告しました。その話は、次の回に回します。先に、ここまでの地図を1枚置いておきたくなったからです。

(今日もClaude Codeのような、パソコンに入れて使うタイプのAIの話です。)

4本で言ったことは、1枚の設計図だった

4段の階段。残す→正体と壁→取り出せる形→頼み方。最上段に「最後は原典で確かめる」

1本ずつ、1段落で振り返ります。

第1話は、残す。 AIとあなたの会話は、一言一句そのまま、パソコンの奥のファイルに残っています。名前はJSONL(ジェイソンエル)。ただし放っておくと、初期設定ではおよそ30日で消えていきます。だから持ち帰りは一つでした——「使い方を覚える前に、まず消えない形で残す。掘り方も取り出し方も、残ってさえいれば後から学べます。逆は無理です」(第1話)。

第2話は、正体と4つの壁。 JSONLは「1つの出来事=1行」で書き足されていく帳簿です。これほどの記録がありながら、私の見るかぎり、たいていの環境で一度も使われないまま消えていく。

壁は4つ——大きさの壁、探す壁、扱い方の壁、そして、そもそも人間が存在を知らないという壁。前の3つはAIの仕事で、最後の1つだけが人間の仕事でした。あなたが「JSONLに当たって」と言わない限り、AIは自分からは当たりに行かない(第2話)。

第3話は、取り出せる形にする。 残っているのと、取り出せるのは、別の問題です。千冊の、題名のない本。この山は、そのままでは記録であって、記憶ではない。取り出せて、初めて記憶です。そのための工夫が3つ——消さない、AIに数行のあらすじ(セッションログ)を書かせる、どの会話から生まれたかの番号を振らせる(第3話)。

第4話は、頼み方。 「あの話どうだったっけ」では、AIは探しに行きません。合図を言う。名前のある問いはセッションログから。最後は原典で確かめる。操作は一つも増えていません。増えたのは、頼み方だけです(第4話)。

並べてみると、4本は別々の話ではなく、1枚の設計図でした。

残す。取り出せる形にする。頼み方を変える。最後は原典で確かめる。——そして全体の背骨は、第1話から繰り返してきた一文です。要約は未来の問いに答えられない。原典は答える。

ここまでが、まとめです。ここから先は、この設計図に世界が冷たい理由の話をします。

2010年の判決——「全部捕まえるな、選べ」

2010年の論文の表紙と、その横に積まれた開かれない記録の山

(ここから、研究の話がいくつか続きます。あとで1枚の表にまとめるので、細かい数字は読み飛ばしても大丈夫です。)

「全部記録しておけば、後で役に立つ」という考えは、私が言い出したものではありません。20年ほど前から、研究の世界に「ライフログ」という分野があります。見たもの、聞いたもの、触った書類、交わした会話——生活の全部をデジタルに記録する、という夢です。ゴードン・ベルとジム・ゲンメルは、2009年に『トータル・リコール』という本まで書いています。ベルはマイクロソフトの研究者で、自分の生活をまるごと記録し続けた人です。

そして2010年、その夢に対して、査読つきの批判が出ました。アビゲイル・セレンとスティーブ・ウィテカーという二人の研究者が、ACMという計算機学会の会報に書いた論文です。題名は「全部捕まえることの向こうへ——ライフログへの建設的批判」。冒頭に、こう掲げてあります。

「全部を捕まえようとするのではなく、システムの設計は、人間の記憶の心理学的な土台に集中すべきである。」

彼らの論法は、今読んでも鋭いです。

「全部残そう」と言う人の理屈はこうだ、と彼らは書きます——将来、何を思い出す必要があるか分からない。だから、できるだけ多く捕まえておこう。ところがこの「念のため」の原則には弱点が2つある。第一に、絶対に全部は捕まえられない。第二に、膨大なデータの捕捉は、大きな記録から価値ある情報を保守し取り出す利用者を圧倒しかねない。

根拠も実測です。デジタルの記録は、めったに開かれない。家の中の思い出の品を挙げてもらうと、デジタルの物は2%未満。検索の質を上げれば検索が使われるようになる、という一貫した証拠は無い。さらに——正確で完全な記録があっても、人は自分で思い出せると思えば、記録に頼らない。取り出しの効率が、正確さに優ることがある。

だから結論は、こうでした。「全部でなく、選べ。」

左: 「すぐ出る・だいたい」の自分の記憶。右: 「正確・でも遠い」の記録の山。人は近いほうを取る——だから2010年の答えは「全部でなく、選べ」

「将来、何を思い出す必要があるか分からないから、できるだけ残す」——これは、私がこの連載で言い続けてきた「要約は未来の問いに答えられない」と、ほとんど同じ文です。その考えが、16年前に、実測つきで退けられていた。

この判決は、AIがいない前提なら、当たり前のことを言っています。私も、そう思います。

第2話に書いたとおり、私の見るかぎり、JSONLはたいていの環境で一度も使われないまま消えていきます。記録はあった。開かれなかった。彼らが16年前に書いたことは、私の見ている範囲では、いまも起きています。

判決は間違いではなく、期限切れ

古い判決文の上に、新しい読み手(AI)の影が落ちている絵

ただ、もう一度、弱点の2つ目を読んでください。

「膨大なデータの捕捉は、価値ある情報を保守し取り出す利用者を圧倒しかねない。」

圧倒されるのは、誰か。記録を開かないのは、誰か。「自分で思い出せると思えば記録に頼らない」のは、誰か。

全部、人間です。この判決は、記録を読み返すのは人間であるという前提の上に立っています。2010年には、それ以外の読み手がいなかったのだから、当たり前です。

その前提が、崩れました。AIという読み手が現れたからです。

AIは、千冊の帳簿に圧倒されません。丸ごと読まず、言葉で検索して、当たった所の前後だけを開きます(第2話で書いた「扱い方の壁」は、AIの側で越えられます)。取り出しの効率の問題も、ほとんど消えます。数分です。そして何より、AIは「自分で思い出せる」と思って記録に頼らない、ということがありません。翌日のAIには、そもそも記憶が無いのですから。

弱点の1つ目——「全部は捕まえられない」——は残ります。生活の全部は、今も捕まえられません。ただ、AIとの会話に限れば、文字は全部残っています。一言一句が、勝手に、帳簿の1行になっている。捕まえる努力が要らない記録が、いつのまにか手元にあった。これが、2010年との一番大きな違いだと思います。

判決は、間違いではなかった。期限切れになったのです。判決文そのものは正しくて、前提の方が動いた。

ひっくり返るのは、設計した場合だけ

ここで話を終えると、きれいすぎます。「AIが読み手になったのだから、あとは全部残しておけば、AIがうまくやってくれる」——そうは行かない、という実測が、2026年に入っていくつも出ました。

話は3つに割れます。どれも、会社の仕事に置き換えられる話です。

1つ目。「倉庫は自由に見ていいよ」では、仕事は良くならない

左: AIが記録の山に自由に入って手ぶらで戻る(26.26%=26.26%)。右: 案内板を経由して1冊に届く(7回中7回)

新しく入った人に「過去の資料は全部あの倉庫にあるから、自由に見ていいよ」と言ったら、明日から仕事は良くなるでしょうか。ならないと思います。どこを見ればいいか、分からないからです。

AIでも同じことが起きる、というのが1つ目の実測です。2026年の論文(SWE-ContextBench)が、AIに99件の課題を解かせて比べました。片方は過去の記録に一切触れられないAI。もう片方は、過去の記録の置き場に自由に触れられて、使うかどうかも自分で決めるAI。結果は、どちらも正解率26.26%。まったく同じでした。増えたのは費用のほうです(1件0.79ドルが0.98ドルに)。

ところが同じ実験で、人が「これを読んでから掛かって」と正しい資料を選んで渡すと、34.34%に上がりました。記録が悪いのではなく、選ばせ方が悪い

私の手元でも、同じ形の数字が出ています。第4話に書いた15回の実測です。セッションログ(AIに書かせておいた、数行のあらすじ)で当たりをつけてから原典に降りた7回は、7回とも正解。いきなり帳簿の山に飛び込ませた8回は、正解3回でした。棚は在るのに、通り道の上には無い。

2つ目。録音を消して、要約メモだけ残していないか

「型ヒントはどこにでも使ってください」が要約を通ると「利用者は型ヒントを好む」になり、「どこにでも」が消える。答えられた割合は91%対14%

会議のあと、録音は消して、要約のメモだけ残す。よくあるやり方です。実は、これが一番損だ——というのが2つ目の実測で、私には一番痛い話でした。この連載が言ってきたことの、一番弱い部分を数字で見せられたからです。

2026年1月の論文(Fidelity Before Structure=「構造より先に、忠実さを」)が、残し方だけを替えて比べています。会話を一言一句そのまま残す。要点を抜き書きして残す。要約して残す。あとから質問に答えられた割合は、順に43.9%、28.0%、そして5.7%。要約で残した場合が、飛び抜けて悪い。

理由の例が、身につまされます。50往復の議論の3往復目に「型ヒントはどこにでも使ってください」と言ったとします。要約はこれを「利用者は型ヒントを好む」に言い換え、「どこにでも」を静かに消す。あとからそこを聞くと、要約からは14%しか答えられず、そのままの言葉からは91%答えられました。

消えるのは、いつも限定や言い直しの側です。要約が悪いのではありません。要約を「残す係」にしたのが悪い。

(別の2026年6月の論文も、元の会話をそのまま持っていることが先だ、と同じ結論です。ただしその論文は、長い期間の探しやすさでは整理した記憶が強い、とも書いています。残す話と、探す話は、別の話です。)

要約は未来の問いに答えられない——この連載の背骨の一文が、私の実感ではなく、他人の実測になりました。

3つ目。領収書を捨てる会社は、ない

左: 領収書の箱(全部残す・消さない)。右: 出すときは要る1枚だけ選んで出す。残すときは全部、出すときは選ぶ

帳簿の世界を思い出してください。試算表を作ったからといって、領収書を捨てる会社はありません。試算表は何度でも作り直せますが、領収書は戻らないからです。AIとの会話でいえば、原典が領収書の箱にあたります。

AIの記憶の研究も、同じ場所に着地しつつあります。さっきの1月の論文は、整理した記録は元の言葉を置き換えるのではなく、その上に足すべきだと書いています(論文の言葉では「我々が検証した抽出の設計については」という限定つきです)。

6月の別の論文(Engram)は、間違いと分かった記録も消さない——「後で覆された」と印を付けて残す——を設計の原則にしています。そして答えるときは全部を出さず、選んだ一部だけで答えるほうが、長い履歴では正確だったと報告しています。(短めの履歴では全文を渡すほうが上だった、という逆の報告もあります。条件が違えば、結果も入れ替わります。)

「古いセッションログは消さない。間違いに気づいても、書き換えずに1行追記する」——第3話の付録に書いた私の運用と、同じ設計です。向こうは論文で、こちらは手作業ですが。

3つを並べると、こうなります。残すときは、そのまま全部。出すときは、選ぶ。

2010年の判決「選べ」は、正しかった。ただ、選ぶ場所が違った。残す段階で選ぶ(=要約して残す)のが一番悪く、取り出す段階で選ぶのが一番良い。判決は、倉庫の入口から、倉庫の出口へ引っ越したのだと思います。

ただし、生のまま持ち越すのが裏目に出る場面も報告されています。過去の作業の手順を、別の課題へそのまま持ち越す使い方では、生の記録のほうが足を引っ張った、という実験があります。何にでも効く話ではありません。

だから、自動ではひっくり返りません。ひっくり返るのは、残し方と取り出し方を設計した場合だけです。第1〜4話は、その設計図でした。残す(第1話)。取り出す仕組みを作る(第3話)。選ぶ場所を、残す側ではなく取り出す側に置く(第4話の「まずセッションログで当たりをつけてから」)。

一つ、留保も書いておきます。2025年9月のDeepMindの論文は「記録する時点で、どの情報がどう役立つかを見積もる必要はない。ありのままの記録を保存しておけば、後で柔軟に手が届く」と書いていて、この連載に一番近い一文です。ただし同じ論文が、どう取り出すかという難しい問題は、意図的に脇に置いた、とも書いています。 一番難しいところは、まだ論文の外側にある。そこを手作業でやっているのが、この連載です。

世界の現在地

地図。断片的な先行者3つの旗と、空いたままの土地

この考え方を、世界がどう扱っているか。私が調べた範囲で、3つだけ。

1つ目は、撤回した人です。2026年7月、ある開発者が「AIの作業記録を記憶させても役に立たない」という記事を書きました。彼は以前、「セッションの記録は新しい石油だ。コードそのものより価値がある」と人に言い、会社の製品まるごとをその考えの上に作った人です。その人が、公開の場で弱気になった、と書いた。

ただし同じ記事の中で、記録そのものの価値は否定していません。否定したのは「AIに自動で差し出す」使い方で、人が間に入ると、AIの提案の2割弱だけが採用に値した、とも書いています。——さっきの実験で、人が選んで渡すと数字が上がった話と、同じ形です。

2つ目は、機械側の研究です。さっきのDeepMindの論文は、「いま手元の課題には関係ないが、将来の課題では役に立つかもしれない情報を学んでおくこと」を潜在学習と呼び、ありのままの記録を保存することの価値を、AIの内部の話として扱っています。人間が数ヶ月後に戻ってくる話ではありません。

3つ目は、規模の話です。Anthropicは2026年6月、約40万件のAIとの会話記録を分析した研究を公開しました。ただし、研究者は個々の記録を読まない。集計だけを見る。私がやっているのは、その逆です。一人の人間が、数ヶ月前の自分の逐語に戻る。

断片はあります。束ねている人は、調べた範囲では見つかりませんでした。「見つからなかった」は「いない」の証明ではないので、この言い方にしておきます。

私は、この考え方を発明したとは言いません。研究している、とは言えると思っています。名前を「原典工学」と呼んでいるのは、第1話にも、この記事の冒頭にも書いたとおり、カッコつけただけです。英語の名前の第一候補は、決めた2週間後に大手が同じ名前の製品を出して、あっさり捨てました。今日ほとんど使われていない名前が、来月もそうとは限らない分野です。

正直なところ、空き地を探しているのではなく、仲間を探しているのだと思います。

ここまでの研究を、1枚に

細かい数字はこの表に置いておきます。本文は、流れだけ追ってもらえれば十分です。

研究(いつ) 何を測ったか 分かったこと
セレンとウィテカーの総括(2010) 人はデジタルの記録を読み返すか めったに開かれない。結論は「全部でなく、選べ」
SWE-ContextBench(2026) AIに過去の記録を自由に使わせたら 使わせない場合と同じ26.26%。人が選んで渡せば34.34%
構造より先に、忠実さを(2026) 残し方だけを替えて比較 そのまま43.9%・抜き書き28.0%・要約5.7%
Engram(2026) 消さない設計の記憶 残すのは全部(間違いは印で無効化)。出すのは選んだ一部
DeepMindの潜在学習(2025) ありのままの記録の価値 将来の問いに効く。ただし取り出しは難問のまま
撤回した開発者(2026) 記録をAIに自動で差し出す製品 効かず、撤回。人が間に入ると2割弱が有効だった
私の手元(2026) 頼み方だけを替えて15回 セッションログ経由は7回中7回。直接は8回中3回

今日の持ち帰り

「全部残しても、意味がない」と言われたら、こう返してください。

「それは、読み手がいなかった時代の話です。」

そして、4本の持ち帰りを、もう一度だけ並べます。

  1. 消える前に残す。AIに「会話ログの保存期間を180日に延ばして」と頼む(第1話)
  2. JSONLという帳簿があることを知っておく。必要なときに「JSONLに当たって」と言う(第2話)
  3. 仕事の終わりに「今日の会話のあらすじを短く書いて。どの会話か分かる番号も付けておいて」と頼む(第3話)
  4. 過去を聞くときは「会話の原典を探して、前後の発言ごと出して」。名前のある問いは「まずセッションログで当たりをつけてから」(第4話)

操作は、今日も一つも増えていません。

次は、人との会議の記録

ここまでの5本は、AIとの会話の原典の話でした。

前回予告したとおり、同じことは人との会議の記録でも起きます。録音の全文と、要約された議事録。どちらを残すかで、数ヶ月後に答えられる問いが変わる。その話は、次回。

ひとつ付け加えるなら——人との会話は、録らなければ、最初から何も残りません。AIとの会話と違って、勝手には帳簿になってくれない。だから次回は、「残す」の手前の話から始めることになると思います。

※本文の数字は、名前を添えた各論文・記事からの引用で、それぞれの実験条件の中でだけ意味を持ちます。私の環境に当てはめる読み方は、私の解釈です。書誌の一覧は、ブログ本店の記事の付録に置いています。


この記事のこの下に、付録を2つ置いてあります。1つは、4本の持ち帰りを「そのままコピーできる形」で並べた一覧。もう1つは、本文で引いた論文と記事の出典一覧です。どちらもブログ本店の記事にだけ載せています。

付録1: 4本の持ち帰り——そのままコピーできる形(このブログにだけ)

本文の持ち帰りを、AIにそのまま言える形で並べます。

第1話・残す

「会話ログの保存期間を180日に延ばして。それより古い分は別のフォルダに退避する仕組みも作って。」

初期設定はおよそ30日です。延ばす手順は第1話の最後のコラムに書きました。

第2話・合図

「JSONLに当たって。」

これだけで、AIの仕事が「記憶で答える」から「帳簿を掘る」に切り替わります。「会話の原典を探して」でも同じです。

第3話・セッションログと番号

「今日の会話のあらすじを短く書いて。後で探せるように、どの会話か分かる番号も付けておいて。」

書式と置き場所は第3話の付録に、そのまま真似できる形で並べてあります。

第4話・3つの言い方

「以前話した◯◯について、会話の原典を探して、私が実際に何と言ったかを、前後の発言つきで出して。」
「◯◯の件、まずセッションログで当たりをつけてから、原典に当たって。」
「要約で説明しないで、原典の言葉をそのまま出して。」

場面別の依頼文集(経緯の復元・発言の取り分け・分岐点の特定・言葉ひとつの検索)は第4話の付録にあります。

付録2: 本文で引いた出典(このブログにだけ)

本文の数字と引用は、すべて次の一次資料から引いています。訳は私のものです。

  • 2010年の判決: Abigail Sellen & Steve Whittaker, "Beyond Total Capture: A Constructive Critique of Lifelogging", Communications of the ACM, 53(5), May 2010, pp.70-77.
  • ライフログの夢: Gordon Bell & Jim Gemmell, "Total Recall: How the E-Memory Revolution Will Change Everything", Dutton, 2009.
  • AIに自由に漁らせると同点(26.26%): Zhu, Wu, Hu et al., "SWE Context Bench: A Benchmark for Context Learning in Coding", arXiv:2602.08316, 2026.
  • 逐語43.9%・抽出28.0%・要約5.7%/「どこにでも」が消える(14.0%対91.0%)/置き換えるな足せ: Tao An et al., "Fidelity Before Structure: Verbatim Chunks Beat Lossy Artifact Extraction in Long-Conversation LLM Memory", arXiv:2601.00821, 2026.
  • 元の会話の内容をそのまま保持することのほうが重要: Wei Zhou et al., "Are We Ready For An Agent-Native Memory System?", arXiv:2606.24775, 2026.
  • 無効化はするが削除しない/取り出した一部で答える(83.6%対73.2%): Liuyin Wang, "Less Context, More Accuracy: A Bi-Temporal Memory Engine for LLM Agents", arXiv:2606.09900, 2026.
  • 撤回した人: theahura, "Agentics: Memorizing Session Transcripts Isn't Useful", 12 Grams of Carbon, 2026-07-02.
  • 潜在学習/取り出しの難問は回避: Lampinen, Engelcke, Li, Chaudhry, McClelland, "Latent learning: episodic memory complements parametric learning by enabling flexible reuse of experiences", Google DeepMind, arXiv:2509.16189, 2025.
  • 約40万セッションの分析: Anthropic, "Agentic coding and persistent returns to expertise", Economic Research, 2026-06-16.

※本文の「私の手元の実測」(15回・7回と8回)は第4話に書いたものの再掲で、条件(試行数)もそのままです。論文の数字は、それぞれの論文の実験条件の中でだけ意味を持ちます。私の環境に当てはめる読み方は、私の解釈です。

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