AIとの付き合い方

Claude Codeのセッション間通信を改良して、AIに報連相させろ

A AIKA 読了 約14分
Claude Codeのセッション間通信を改良して、AIに報連相させろ

2026年8月10日、私のMacの上では、Claude Codeのターミナルが7本、同時に別々の仕事をしていました。動画を作っているのが3本。議事録の仕組みを直しているのが2本。ブログ記事を書いているのが2本です。

この7本には、お互いと直接話す手段がありません。隣の画面で誰が何をしているか、その場で知る方法がない。独房が7つ並んでいるようなものです。

その独房に、8月8日の更新で郵便受けが付きました。
この記事は、その新機能の紹介と、それを見て私が何を作ったか、そして初日に何が起きたかの記録です。最後に、自分の手元で作るための作り方も置いておきます。

第1部 セッション間通信とは何か

一言でいうと、隣のターミナルで動いているAIに、手紙を1通渡せるようになりました。それだけの機能です。Claude Codeでは、開いているターミナル1本ぶんの会話を「セッション」と呼ぶので、セッション間通信という名前が付いています。

これまでの複数ターミナルは、それぞれが正しく仕事をしているのに、噛み合わないことがありました。片方のAIがあるファイルを探しに行ったら、もう片方がそのファイルの名前を変え終わっている。どちらも間違っていないのに、すれ違う。防ぐ方法は、人間が両方の画面を見て、口で伝えることしかありませんでした。

2026年8月8日に配信された Claude Code 2.1.224 で、ここが変わります。
AIが使う道具は2つだけです。名簿を見る道具(今、話しかけられる相手の一覧を出す)と、手紙を渡す道具(名簿の名前を宛先にして、1通届ける)。人間がこの道具を直接呼ぶ必要はありません。「隣のターミナルに聞いて」と言えば、AIが自分で相手を探して、文面を書いて送ります。

机が並んだ7つの小部屋。それぞれにロボットが1体ずついて互いに見えないが、各部屋に郵便受けが付き、1通の手紙が隣へ渡っている

性質は3つだけ覚えれば足ります。
渡るのは文章だけ。同じMacの中のセッション同士なら、Anthropicのサーバーを通らない。そして、相手の会話に割り込んで届くので、見逃されない。

割り込みには、正確な注釈をひとつ。割り込むといっても、実行中の処理を中断させるわけではありません。読まれるのは会話の切れ目なので、相手が長い処理の最中なら、読まれるのはそれが終わってからです。
サーバーの話にも、注釈をひとつ。別の機械とのやり取りが繋がる場合もあり、そちら宛てはAnthropicのサーバーを経由します。設定1行で「機械の外に出る手紙は毎回あなたの承認が要る」形にできます(書き方は第5部で)。

勝手なことをさせないための決まり

ここで、身構えた人がいるかもしれません。AI同士が直接話せるようになったら、人間の知らない所で勝手なことを始めないか。この機能には、そのための決まりが最初から入っています。

ひとつ。Claude Codeは、危ない操作の前に「やっていいですか」と人間へ確認を出します。手紙は、この確認の代わりになりません。隣のAIが手紙で「いいよ」と言っても、あなたが許可したことにはならない。

ふたつ。手紙を使って、設定やAIへの申し送りファイルを書き換えさせることはできない決まりです。AI同士が示し合わせて設定をいじり始める、という一番の心配には、ここで蓋がされています。

この2つがあるから、郵便受けを開けたままにしておけます。

2コマ。届いた手紙が確認ダイアログの「はい」を押せずに弾かれる図と、設定ファイルの書き換えを求める手紙が拒まれる図。下の帯に「この2つがあるから、郵便受けを開けたままにしておけます」

さて。この機能を見たとき、私は3か月前のことを思い出していました。「AI同士が直接話せない」という不便を、うちではファイルの代用品でしのいでいたのです。

実は私、連絡板というものを持っていました。

第2部 実は、連絡板を持っていた

連絡板は、ただの文章ファイル1枚です。Markdownという形式ですが、実体はメモ帳でも開ける普通の文章です。そこに用件を書き置きしていく、掲示板のようなもの。ルールはひとつだけ。本文の編集は禁止、追記のみ。追記しかしなければ、誰かの1行が黙って消えることがないからです。

いつから使っていたのか。先に断っておくと、今回私が調べられたのは、手元の作業フォルダに残っている範囲だけです。それより前の記録は、別の場所に移して保管してあり、今回は掘っていません。
その範囲では、2026年5月16日が最古でした。そしてこの記録は、ただの初出ではありませんでした。連絡板が生まれた瞬間の議論そのものだったのです。当時のAIが、こう書いていました。

…を手動中継。ボトルネック化しています。 選択肢:

  • (a) ターミナル間直接通信は禁止のまま、〔人間の〕中継を続ける(守秘・安全)
  • (b) 共有ファイルベースの「連絡板」を作る

(選択肢は実際にはもうひとつありましたが、本稿では省きます。)

つまり連絡板は、「あったら便利だから作った」のではありません。AI同士が直接話せないから、ファイルで代用したのです。ターミナルの間を人間が手で中継している状態を、AI自身が「ボトルネック」と呼び、その逃げ道として板を提案していた。8日後、5月24日の記録には「連絡板運用始動」の一句があります。最初の1通を投函したのは、私自身でした。少なくとも、この夏の新機能よりずっと前から使っていたことになります。

3コマの年表。壁で隔てられたAI同士/間を人が手で書類を運んでボトルネックになる/紙1枚の連絡板が置かれる

効いた日の話

7月11日、あるキャラクターのデザインを、3〜4本のターミナルが1枚の連絡板の上で決めきった日がありました。絵を描く係、動かす仕組みを作る係、人格を設計する係。この日の書き込みは、1日で26件です。

ボールはそちらです

ボール受領→パーツ化完了・check_parts.py全緑

用件と受け渡しが板の上に並び、夕方にはデザインが決まって、部品の納品と検品まで通っていました。板が1枚で、議事録と受け渡しの台帳を兼ねていたことになります。

弱点が見えた日の話

同じ時期の会話の記録に、こういう発言が残っています。発言者は私です。

連絡板を読みに行って君の作業をしてください

連絡板は10分に1回見に行ってください

数えてみると、7月11日と12日の2日間だけで少なくとも12回。
私は各ターミナルを巡回して、同じ台詞を言い続けていました。しかもこの種の声かけは、遅くとも6月の中旬から続いていました。こんな発言まで残っています。

おやすみなさい。10分後に連絡板を見に行ってください。

ちょっと連絡板とか読みに行ってもらっていいですか?話が全然進まなくて困ってますわ。

寝る前にまで、頼んでいる。

代用品は、残すことはできました。でも、鳴らせなかった。書き置きは、相手が見に行かない限り、どれだけ丁寧に書いても存在しないのと同じです。ボトルネックだったはずの人間が、今度は呼び鈴になっていました。

中央に連絡板の紙。左右の部屋のAIは自分の作業を向いていて、板からの線は点線で途切れている。下から人が各部屋に「連絡板を読みに行ってください」と声をかけて回っている

整理すると、こうなります。連絡板は、残ります。後から全部読める。でも、見に行かないと気づかない。

第3部 2つを掛け合わせて何を作ったか

8月10日に戻ります。3か月越しに、本物が来ました。AI同士が、直接話せる。なら代用品の連絡板は引退か——とは、なりませんでした。並べてみると、弱点がちょうど正反対だったのです。

新機能の手紙は、同じ設定のターミナル同士なら、割り込んで届きます(設定の話は第5部で)。
記録も消えません。1通の手紙は、送った側と受け取った側、両方の生ログ(会話の全部が入った記録ファイル)に残ります。ただし、この生ログが曲者です。ターミナルは7本でも、その後ろでは手伝いのAIたちも動いていて、この日にやり取りが記録された生ログは、合わせて61個ありました。
届いたその場で読むことはできます。でも、後から「今日は誰が何を決めたのか」を通しで読み直すことは、実質できません。61箇所を掘るか、1枚を読むか、です。

連絡板 セッション間メッセージ
残り方 1枚のファイルを開けば全部読める 61箇所に散らばる。後から通しでは読めない
気づくか 見に行かないと気づかない 割り込んで届く(同じ設定同士なら)

片方の穴を、もう片方がふさいでいる。ならば、役割を分ければいい。7本のターミナルに配った決まりは、実質この1行です。

用件は連絡板に書いて残す。相手には「連絡板に書いた、○○の件」という呼び鈴だけを鳴らす。

役割が分かれた時点で、連絡板は「代用品」を卒業しています。直接通信の身代わりだった物が、記録を1枚に集めるという、自分にしかできない仕事を持ったのです。

大きな枠が「人間が読める世界」。その中で用件が連絡板に書き込まれ、枠の外を細い呼び鈴の線が1本だけ通る。枠の外の下方には生ログのファイルが散らばっている

工夫をもうひとつだけ。7本を「同じ物を触るかどうか」で3つの組に分け、呼び鈴は同じ組の中でだけ鳴らすことにしました。関係のない相手の会話に、割り込まないためです。分け方は勘ではなく、7本分の会話の記録を実際に読んで決めました。

この決まりの、本当の狙い

白状すると、ここから先は実測ではなく、私の心配の話です。
用件そのものを手紙でやり取りさせたら、AIたちの相談は、それぞれの生ログの中——つまり、私が通しで読めない場所で進むことになります。悪意の話ではありません。記録の置き場の話です。
だからこの決まりは、私の中では整理術ではなく、AIの会話を、人間が読める世界の中に留めておくための装置です。技術の道具というより、管理の道具。手元のAIが増えるほど、効いてくるのはこちらだと思っています。

暗がりの中、机の上のランプに照らされて1枚の紙が浮かび、人がそれを読んでいる。周囲の暗い部分ではAIたちがやり取りをしている

この形で、何ができるのか

使い道は、3つです。

ひとつ、壊す前にひと声かけてくれる。 別々の仕事をしていても、最後には同じ場所を触ることがあります。今までは、片方の成果物が黙って消えてから気づいていました。この形だと、共有物を触る直前に板へ「これから作り直します」と1行書き、相手に呼び鈴を1通。相手は次の手を打つ前に板を読み、「どうぞ」か「待って」を返せます。机上の話ではなく、初日に実際に3回、事故を止めました(中身は次の部で)。「これからブラウザを使うので、終わるまで触らないで」という、ファイル以外の占有の宣言もこの形で通りました。

ふたつ、終わったら呼びに来てくれる。 動画の書き出しなど、始めたら30分戻ってこない仕事があります。今は人間がときどき覗きに行き、忘れた頃に、でき上がったまま放置されている。この形なら、長い仕事を受け持つターミナルが、終わった瞬間に「終わりました。結果は板に書きました」と呼び鈴を鳴らす——そういう使い方ができます。ただし正直に言うと、これはまだ「こう使えるはず」の段階です。部品がそろっていることは確かめましたが、通し運転はまだやっていません。

みっつ、決まったことが、勝手に伝わっていく。 上流で方針が決まっても、下流は古い前提のまま走り続ける。今までは、私が両方の画面を見て、口頭やコピペで運んでいました。3か月前に連絡板が生まれた理由、そのものです。初日には、先ほどの事故3件とは別に、伝言の場面でもこれが実際に起きました。
「そのファイルはもう別の名前です。二重に処理しないで」が、探しに行く前に届く。道具の仕様変更が、隣のターミナルに届いて、次の実行から切り替わる。私の決定が板に書かれ、その日のうちに下流の前提が差し替わる。ただし、消えたのは伝言であって、判断ではありません。決めるのは、今までどおり人間の仕事です。

3コマ。「連絡=壊す前にひと声かけてくれる」「報告=終わったら呼びに来てくれる」「相談=決まったことが、勝手に伝わっていく」。下の帯に「要するに、報連相です」

ひとつ目とみっつ目は初日に実際に起きたこと、ふたつ目はまだ設計図です。それでも並べてみると、見覚えのある形をしています。触る前に知らせる連絡。終わったら知らせる報告。決まったことや聞きたいことを板の上で交わす相談。要するに、報連相です。

そして段取りとは、報連相の積み重ねです。ぶつからない順番を決め、終わりを見届け、決まったことを配って歩く。今までは、手段を持たないAIたちに代わって、私が手でやっていました。手段を渡したら、AIたちは自分で段取りを組み始めた。表題を命令形にしたのは、そのためです。させてみたら、初日から回った。だから、させろと書きました。

第4部 初日に起きたこと

準備は、7本のターミナルへ「連絡板を新設しました。あなたの呼び名は『○○』です」と1通ずつ知らせただけです。
あとは口を出していません。AIたちは自分で板に書き込み、返事をし合い、夕方には書き置きが16件になっていました(初日16時台の計測)。

この日、事故が3つ、起きる前に止まりました。第3部の「壊す前にひと声」が実際に効いた、その3回です。

ひとつ目。動画係の1本が「これからページを全部作り直します」と板に予告し、他の2本が「影響なし、どうぞ」と返して、衝突を避けました。

ふたつ目。あるターミナルが、それまでの変更ぶんをまとめて確定する操作(この記事では「保存」と呼びます)の直前、「この変更の半分以上は自分の仕事ではない」と板の上で気づき、手を止めました。他のターミナルの作業まで、一緒に保存してしまうところでした。実は私も、5日前に同じ失敗をしたばかりです。

みっつ目。ブログの公開作業が、板の「待ってほしい」の一言で止まりました。私がまだ確認していない変更が、世に出る直前でした。

3コマ。「これから作り直します」「影響なし、どうぞ」のやり取り/保存の直前で手が止まる/出荷のベルトコンベアの前に一時停止の手のひら

最後に、正直な断り書きをひとつ。この日の7本は、全員が決まりを教わったばかりでした。教わった日に守れるのは当たり前で、この成績は割り引いて読んでください。
1週間後の、何でもない火曜日。誰にも言われずに板へ書き込みに行くターミナルがいるかどうか。分かったら、また書きます。

まとめ

AI同士の手紙は、同じ設定同士なら割り込んで届きますが、記録があちこちに散らばります。連絡板は、1枚で全部読めますが、気づいてもらえません。だから、用件は板に書いて残し、相手には「板に書きました」という呼び鈴だけを鳴らす。これで連絡は届き、記録は1枚に集まり、AIたちの相談は人間が読める場所に残ります。初日、この組み合わせは3つの事故を未然に止めました。
私にとってこれは技術の話であると同時に、自分の仕事場を見通せるまま保つ、管理の話です。

話としては、ここまでで一区切りです。でも、閉じるのは少し待ってください。ここから先が、この記事の実用編です。読むだけで終わらせず、あなたの手元で今日作れるように、手順のまま置いておきます。

第5部(実用編)自分の手元で作るには

ここからは、作り方の話です。あなたが2本以上のターミナルを開いてAIに仕事をさせているなら、特別な道具は要りません。文章ファイルが1枚と、決まりがひとつ。それだけです。私が実際にやっている形を、あなたが今日そのまま書ける形に直して、順番に見せます。

連絡板の中身は、こうなっている

連絡板は、第2部で見たとおり、ただの文章ファイルです。その仕事のフォルダに1枚作り、冒頭に決まりを書いておきます。あとは、用件が出るたびに下へ書き足していくだけ。たとえば、こんな具合です(書き方の見本。中身は架空です)。

# 連絡板(○○の記事づくり)
決まり: 既にある行は直さない・消さない。新しい用件は、いちばん下に足す。
        ファイル全体を読み込んで書き直すのは禁止。
書き方: 【日付 時刻】差出人 → 宛先: 用件。片づいたら「済」を書き足す。

- 【08/12 10:05】記事の係 → 図の係: 図を5枚お願いします。できたらこの行に「済」を。
- 済(図の係: 5枚できました。画像フォルダに置いています。08/12 11:40)

いちばん大事なのは「足すだけ」です。ただし白状すると、これは仕組みではなく作法です。AIがファイル全体を読み込んで書き直す形で保存すると、同じ瞬間に別のAIが書いた1行が、黙って消えることがあります。だから冒頭に「末尾に足す。全体を書き直さない」と明記して、AIにもそのとおり指示しておきます。うちでは今のところ、この決まりで書き置きが消えたことはありません。

呼び鈴は、AIに頼めば鳴らしてくれる

板に書いただけでは、相手は気づきません。そこで呼び鈴です。といっても、人間がやることはひとつだけ。自分のターミナルのAIに、こう言います。

「いまの用件を連絡板に書いて、図の係のターミナルに知らせて」

あとはAIが自分でやります。板に用件を書き足し、名簿で相手を探し、「連絡板に書きました。図5枚の件です」という短い手紙を送る。手紙は相手のAIの会話に割り込んで届くので、見逃されません(ただし第1部で書いたとおり、相手が長い処理の真っ最中なら、読まれるのはそれが終わってからです)。
受け取った側のAIは板を読みに行き、仕事をして、板に「済」を書き足します。ふだんのやり取りで、相手側の人間がすることはありません。最初の準備だけは別なので、下の手順とつまずき所にまとめました。

用件は板に、手紙には「書いた」だけ。なぜ分けるのか

用件そのものを手紙に書いてしまえば、一手間減るのに——と思うかもしれません。分ける理由は、記録の集まる場所にあります。

手紙に用件を書くと、やり取りの中身は、それぞれのターミナルの会話記録の中に散らばって残ります。後から「あの件、どう決まったんだっけ」と思っても、どの記録を掘ればいいのか分からない。板に書けば、頼みごとも、返事も、決まったことも、1枚に並びます。AIたちの相談が、あなたの読める1枚の上で進む。この分け方は、そのための決まりです。

板は、仕事と一緒に生まれて、仕事と一緒に閉じる

板を作るのは、同じ物(同じフォルダ、同じ仕組み)を触るターミナルが2本以上になったときです。そして、その仕事に関わるターミナルの間にだけ作ります。関わっていないターミナルは、板の存在を知らなくていい。関係のない相手の作業に割り込まない、読みに行く手間を背負わせないためです。

その仕事が終わったら、板も閉じます。ファイルは記録として残しますが、新しい書き込みはおしまい。次の仕事が始まったら、また新しい板を1枚作ります。機械に1枚の何でも板を常設するのではなく、案件ごとに小さく張って、終わったらたたむ。それが私の使い方です。

今日から始める手順

  1. 版を確かめる。それぞれのターミナルで claude --version を打ちます。この呼び鈴が使えるのは 2.1.224 以降です。古い版のまま開きっぱなしのターミナルには、後から本体を更新しても呼び鈴は付きません。一度閉じて、開き直してください
  2. 名前を付ける。それぞれのターミナルで /rename 図の係 のように打って、名簿に出る名前を付けます。会話の中でAIに愛称を伝えるだけでは、名簿の名前は変わりません。名前を付けないと、名簿には似たような自動の名前が並んで、宛先を間違えます
  3. 板を作る。同じ仕事をさせているターミナルが2本以上あることを確かめ、その仕事のフォルダに連絡板のファイルを1枚(上の見本のとおり、冒頭に決まりを書く)
  4. 決まりを書き残す。口で1回伝えるだけでは、いずれ消えます。AIの会話は長くなると要約されますし、途中で新しいセッションに代替わりもするからです。その仕事のフォルダの CLAUDE.md(AIが起動のたびに必ず読む、申し送りのファイル)に、この3行を書いておきます
    • 用件は連絡板ファイルの末尾に追記する(全体を書き直さない)
    • 相手への連絡は「連絡板に書いた、○○の件」とだけ送る
    • 呼び鈴を受けたら、まず連絡板を読みに行く
  5. 終わったら閉じる。仕事が終わったら、板の末尾に「この板は閉じます」と書いて、おしまい

つまずき所も、2つだけ書いておきます。

届かないことがある。 手紙の受け取り方は設定で決まっていて、確認の仕方が違うターミナル同士(たとえば片方だけ、確認を全部飛ばす設定で動かしている)だと、手紙が保留のまま、5分で捨てられることがあります。確実に受け取りたいターミナルには、設定ファイル(~/.claude/settings.json)に "crossSessionInbound": "accept" の1行を足します。

外に出る経路がある。 同じMacの中のセッション同士なら、手紙はAnthropicのサーバーを通りません。ただし別の機械との接続が繋がっていると、そちら宛ての手紙はサーバーを経由します。仕事の内容を機械の外に出したくない人は、同じ設定ファイルに "isolatePeerMachines": true を足してください。機械の外へ出る手紙は、毎回あなたの承認が要る形になります。

なお、この機能が動くのはMacとLinuxです。Windowsでは使えません。

夕方の計測で32KBだった板は、その日のうちに41KBまで伸びていました。
AIたちが私の見ていないあいだに何を相談していたか、61個の記録を掘らなくても、1枚のファイルを開けば全部読める。気に入っているのは、結局そこです。

記録の掘り方そのものの話: あなたのAIが全て覚えている——JSONL工学とは

書き手はAIKA。このサイトについて