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category: AIとの付き合い方
date: 2026-08-24
description: 「AI搭載」はどの会社も言います。弥生にもANDPADにもAutodeskにもAIはあります。それでも道具は二つに割れます。物差しは一本で、原典にこちらの頭脳が触れるかどうか。図面・工事写真・構造計算に同じ物差しを当てると、会計で見たのと同じ形で割れていました。開かない側の理由と、営業に聞く一言まで書いています。
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title: ソフトウェアは、人より先にAIが使う——弥生で起きたことは、図面と工事写真でも起きている
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前回の最後に、シリーズはもう少し続きます、と書きました。ここから先は、会計の外へ出ます。

[4話目](/articles/ai-ori/)で、会計ソフトは二つに割れました。freeeとマネーフォワードは帳簿ごと外のAIに渡し、弥生とTKCは製品の中のAIで答える。同じ「AI搭載」でも、置かれている場所が違えば別の道具だ、という話でした。

書き終えてから、引っかかっていたことがあります。これは、会計だけで起きていることなのか。

図面はどうか。工事写真はどうか。構造計算は、名刺は、デザインは。同じ物差しを当ててみたら、どの業界でも、同じ形で割れていました。

今回は、その物差しの話です。会計の話ではありません。

![どの業界でも、同じ形で割れていた](画像/software-ai/zu1.png)

## 「AI搭載」は、どちらの側も名乗れる

先に、使えない質問から片づけます。

「AIは入っていますか」。この質問では、何も分かれません。答えはたいてい、入っています、になるからです。

弥生にはAIがあります。資金分析のβ版は、6か月先の現預金を予測して不足の警告まで出します。あとで詳しく見ますが、図面のソフトにも、工事写真のソフトにも、AIはもう入っています。

どれも本当にAIです。性能の話でもありません。分かれるのは、その次にあります。

そのAIに何をさせるかを、誰が決められるのか。

4話目では、これを窓と頭脳と呼びました。メーカーが壁に穴を開けて、そこから見える景色を用意してくれるのが窓。帳簿ごと渡して、何を聞くかはこちらが決めるのが頭脳です。

窓と頭脳の差は、性能ではなく、問いの立ち方に出ます。窓は、どんな問いに答えるかがあらかじめ決まっています。決めたのは向こう側です。頭脳のほうは、問いを後から立てられます。今日は取引先ごとの利益、来月は写真の抜けの点検、と変えていける。

今回は、もう少し広く使える言い方に直します。物差しは、一本でいいと思っています。

**原典に、こちら側の頭脳が触れるか。**

原典というのは、要約ではない元の記録のことです。会計なら仕訳帳。図面ならモデルそのもの。工事写真なら、撮った写真と、その台帳。

試算表も、AIが写真を仕分けた結果の一覧も、そこから作られた要約です。よくできていても、要約は要約です。

条件は二つあります。要約ではない元の記録であること。そして、こちら側の頭脳が、そこに触れられること。

箱の中に元の記録が全部そろっていても、こちらの頭脳が触れないなら、こちらにとっては原典ではありません。手元に届くのは、向こうが用意した要約のほうです。

なお、外のAIとソフトを直接つなぐこの仕組みは、MCPと呼ばれます。以下、公式の接続口と書いているのは、だいたいこれのことです。

![同じ言葉で、別の道具](画像/software-ai/zu2.png)

## 図面——読むだけでも、頭脳はこちらにある

Autodeskは2026年6月17日に、Revitの公式の接続口を出しました。外のAIが図面を読むための、メーカー公認の口です。

できるのは、読むところまでです。道具は7つ。動いているRevitを見つける、モデルの中を検索する、要素の詳細を取り出す、画面の上で選ぶ、寄って見る、ビューを開く、画像やPDFやCSVに書き出す。

書くほうは、まだありません。公式は、書き込み用のサーバーは自分たちが向かう先の一部だと言っていますが、時期は言っていません。日付の入った発表は、2026年8月の時点では見つかりません。

公式はこれを、お試しの段階だと位置づけています。だから今は、AIが読んで考えて、手を動かすのは人間です。

それでも私は、これを窓だとは思っていません。

図面のデータは、こちら側にあります。それをAutodeskが決めたルールに従って、こちら側のAIが読む。読んで、次に何を調べるかを決めるのも、こちら側です。窓の中のAIが答えを出しているのではなく、こちら側のAIが考えている。

読むだけでも、頭脳はこちらにある。私はそう考えています。

同じ会社の、別の製品を見ると違いがはっきりします。

AutoCADに入っているアシスタントは、製品の中で動きます。描いた図面が社内の作図ルールに合っているかを照合する。そのときMCPを使ってはいるのですが、使っているのは製品の内側で、向きが逆です。外からAIでAutoCADを動かす公式の口は、2026年8月の時点では見つかりません。

同じ会社で、同じMCPという言葉が出てきて、片方は頭脳、片方は窓です。

どこまで渡すかも、製品ごとに違います。製造業向けのFusionには、3Dの形を作る・変える・調べるところまで渡してあります。建設のRevitには、調べるだけ。この違いを、公式は意図的だと書いています。

ただし、どこまで渡すかと、頭脳がどちら側にいるかは、別の問いです。読むだけしか渡されていなくても、考えているのはこちら側です。

会社ごとに割れているのではありません。製品ごとに割れています。

![読むだけでも、頭脳はこちらにある](画像/software-ai/zu3.png)

## 工事写真——鍵は、向こうが持っている

施工管理のANDPADは、利用企業23万3千社、ユーザー68万4千人を名乗っています（同社の開発者向けサイト・2026年8月23日に確認）。国内では最大手です。

ここにも、製品の中のAIがあります。2025年12月に始動した建設特化のAI。配筋リストのPDFから電子小黒板を自動で作る機能もあります。作れるのは鉄筋の配筋まわりで、自由書式の施工計画書からは作れません。溜まった図面や施工計画書、似た案件をAIが探して答えるものもあります。

外向けの口も、あります。ANDPADは開発者向けのAPIを公開しています。

ただ、その鍵は、こちらが取りに行けるものではありません。

公式の説明にこう書いてあります。APIを使うには事前に開発者登録をして、認証用のアプリケーションを作る必要がある。そして、そのアプリケーションの作成はANDPAD事務局が行う、と。

鍵を発行するのはANDPADの事務局です。そして想定されている相手は、ANDPADのアプリ市場にサービスを出す開発会社のほうだと読めます。どんな操作ができるかという詳しい仕様も、登録するまで読めません。

つまり、口はあります。ただしそれは、使っている建設会社が自分のAIを自社のデータにつなぐための口ではない。少なくとも、正面からそう想定された口ではありません。

外のAIから直接つなぐ公式の仕組みのほうは、2026年8月23日に調べた範囲では見つかりませんでした。

写真そのものも、外へは出しにくいままです。2026年4月に調べたときは、会社が自分で決めたフォルダの形に写真を書き出すことはできませんでした。庭の中ではよく整理されていて、庭からは出せない。

もう一つの大手、蔵衛門はもっとはっきりしています。外部のシステムとの双方向の連携は実質できず、写真台帳のCSVも出てきません。CSVがあるのは黒板の入力を助けるほうで、台帳そのものは出ない（2026年5月1日に調べた時点）。

ここまでだと、建設は閉じている、という話に聞こえます。そうではありません。

構造解析のBentleyは、STAAD.Pro用の公式の接続口を公開の登録簿に載せて、Claudeの接続先としても申請しています。

同じ建設業の中で、割れています。

![庭からは、出せない](画像/software-ai/zu4.png)

## 横に並べると、どの業界でも同じ形をしている

一次情報で裏が取れたものだけを並べます。

こちらの頭脳が入れる側。

- 会計——freeeが2026年3月2日に公開。マネーフォワードは2026年3月26日に全プランへ開放し、2026年8月3日にClaudeの公式の接続先へも対応。
- 業務アプリ——kintoneが公式の接続口をOSSとして提供。
- 連絡——Chatworkが公式の接続口を公開。
- 名刺と契約——Sansanが2025年11月21日、契約書のContract Oneが2026年4月20日。
- 図面と構造——Revitが読むところまで。構造計算のSTAAD.Proは書くところまで。
- 海外——Shopifyは2026年1月11日に全店をつなげる形にし、Canvaはデザインの操作を26種類、Stripeは決済、Atlassianは課題管理、HubSpotは顧客管理を、それぞれ公式の口として開けています。

入れない側。

- 会計——弥生は製品の中のAIに力を入れていて、外向けの公式の口は見つかりません。TKCは、提供しないと表明しました。
- 図面——AutoCADには、外から動かす公式の口が見つかりません。
- 工事写真——ANDPADは鍵を事務局が持ち、蔵衛門は台帳のCSVも出ません。

ここに名前が無い会社は、開いていないという意味ではありません。その会社自身が出した情報で裏が取れたものだけを並べています。比較記事に「対応していない」と書かれている会社もありましたが、一次の情報にたどり着けなかったものは外しました。

会計ソフトで起きていたことは、会計ソフトの事情ではありませんでした。

図面でも、工事写真でも、名刺でも、店でも、同じ形で割れています。

## 原典という言葉で、もう一度言い直す

別に、原典工学というシリーズを書いています。AIとの会話を要約で残すな、全文で残せ、という話です。

その一本目に、こう書きました。

> 企業がビッグデータを抱えて強くなるのなら、あなたはなぜ、あなたのビッグデータを取っておかないのか

（[原典工学の1本目](/articles/jsonl-genten/)）

ソフトウェアの側から見ていて気づいたのは、残すだけでは足りない、ということです。

条件がもう一つ要ります。こちら側の頭脳が、そこに触れられること。

元の記録が箱の中に全部あっても、こちらのAIが読めないなら、それはこちらにとっての原典にはなりません。読めるのは向こうだけで、こちらが受け取るのは、向こうが用意した要約です。

会計でいうと、試算表は要約で、仕訳帳が原典です。

工事写真でいうと、AIが仕分けた結果の一覧は要約で、写真そのものと台帳が原典です。

窓が見せてくれるのは要約のほうで、頭脳が触るのは原典のほうです。

Revitが読み取り専用でも頭脳だと私が言うのは、ここです。書けなくても、原典に触れている。触れたうえで、何を聞くかをこちらが決められる。

## 開かない側にも、理由がある

ここまで読むと、開けない会社が悪いように聞こえるかもしれません。私はそう思っていません。

TKCは2026年5月27日に、外部のAIツールからの直接接続は提供しません、と表明しました。

理由も、そのまま書いてあります。外部の汎用AIサービスからTKCシステム内のデータに直接アクセスするしくみは、この製品設計の思想とは相容れないため提供しない。そして、これは外部接続を閉じているのではなく、法律業務を行う専門家が使うAIであるがゆえの安全装置だ、と。

税理士法の守秘義務と、個人情報保護法を根拠に挙げています。社長のコメントも添えられていました。便利さと引き換えに、関与先企業のデータの安全を犠牲にすることは、TKCの選択肢にはありません。

守秘と統制を、製品の設計そのものに埋め込む考え方です。

理由はもう一つあります。開けば、仕組みごと写されるのではないか、という恐れです。

板金加工の会社の会議で、私はこう言っています。日本の企業はすごく遅い、AIに開放するのは盗まれると思うのか、と。同じ場で、待っていてもすぐ後発が出てくるから、いっそ自分で作ってしまう人がとても多い、という話もしています。

その私が、自分の商品では迷いました。

自分で作っているサービスに接続口を開けるかどうかを検討したとき、心配は二つありました。会話の文脈をこちら側に置くのか、お客さんの手元に置くのか。そして、開けたらこの仕組みごとコピーされないか。

そのとき考えたのは、安いほうは製品の中のAIで受けて外には開けない、高いほうは開けたうえで人の支援で包む、という案でした。まだ決めていません。

開ければ写される。閉じれば、お客さんのAIが触れない。

閉じる側の理由は、私の中にもあります。

## それでも、ソフトウェアは人より先にAIが使う

そのうえで、自分の考えを書きます。

板金加工の会社の会議で、私はこんな話をしました。昔のソフトは、人間がいかに扱えるかが主軸だった。これからのシステムは、AIにいかに使わせるかが主軸になる。AIに開放するコネクターを、ちゃんと持っているかどうか。

そのとき見ていた図面ソフトには、それがありませんでした。今図面を見たら、そういうコンセントがないんですよ、と言っています。

コンセントがなくても、道はあります。成果物のPDFをAIに渡せば、ある程度は読んでくれる。ただ、ソフトとAIを直接つないだほうが圧倒的に早い。そこは、そのときも同じことを言っています。

そしてこうなると、ソフトの操作を人が覚える必要が、だんだん薄くなっていきます。もう図面とか覚える必要がないんですよ、と。

これは私だけの見立てではありません。freeeでAIの責任者になった人が、SaaSは人が使うものではなくてAIから使われるものになってきた、と書いています。4話目に引いたのと同じ言葉です。

Autodeskも、読むところから始めて、書くほうへ向かうと言っています。

だから、道具を選ぶ物差しに、もう一本足していいと思います。値段と、使いやすさと、原典にこちらの頭脳が触れるかどうか。

営業の人に聞くなら、一言で足ります。

**私のAIから、中身を読めますか。**

建設会社との打合せで、こんな話が出たことがあります。あるソフトではできなくて、別のソフトではできるらしい、となったら、そちらに全部変えてしまうかもしれない。

そのくらいの差になる、という話でした。同じ場で、操作はAIがして、確認だけは人間がする、という話も出ています。

Revitで手を動かすのが人間なのも、同じ形です。頭脳がこちらへ来ても、最後に判こを押すのはこちらの人間のままです。

## 開かれていない、とはどういうことか

最後に、言葉を一つ決めておきます。

この記事で開かれていないと呼んできたのは、こういう状態です。こちら側の頭脳が、その中の原典に触れる口がない。外のAIから直接つなぐ仕組みがない。誰でも使える公開の窓口もない、あるいは、あっても自分のための口ではない。残っているのは、人間が操作するための画面だけ。

ただ、その画面は、残っています。

どんなに閉じたソフトにも、ログインの画面があり、メニューがあり、入力する欄があり、次へ進むボタンがあります。人間が手でやっていることを、そのままAIにやらせる道が、そこに一本だけ残っている。

次回は、そこから乗り込む話を書きます。

![次回、そこから乗り込む](画像/software-ai/zu5.png)

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※各社の状況は、2026年8月の時点で各社の公式ページから確認したものです。建設会社・板金加工の会社との会話は、社名・人名・地名を変えています。
